遠方より訪れた旅人の疲れを癒すために供される一杯のお茶とお菓子。
遠方より訪れた旅人の疲れを癒すために供される一杯のお茶とお菓子。この習慣は訪問者への感謝と歓迎を表すものとして始まった日本の伝統的な「おもてなし」だ。日本では古来より「お着き菓子」と呼ばれ、甘味としてだけでなく、体を気遣う心遣いであり滞在の始まりを華やかに彩る重要な役割を果たす。
楽 水山では茶道の裏千家の心得のあるコンシェルジュ・谷香織をはじめ、スタッフがお客様1人1人に心を込めて抹茶をたて、香川県の老舗和三盆糖の店「ばいこう堂」の干菓子と共に供する。季節の花々がさりげなく飾られたロビーラウンジでお着き菓子を口にすると、疲れた身体がふわりと軽くなり、心もホッと安らぐようだ。
しっとりと深まりゆく秋を感じながら、心豊かな滞在の幕が静かに上がっていく。
風趣に富んだ里山の情景、四季が織りなす自然に抱かれるように佇む楽 水山。独立した離れ客室を備え、全ての部屋に四季の植物の名が付けられている。春の部屋4室、夏の部屋5室、秋の部屋6室、冬の部屋3室の全18室。秋の部屋は撫子、尾花、桔梗、紫苑、柑子、紅葉。今回はそのうちの1室「柑子」を紹介する。
柑子は植物辞典によると、日本原産の柑橘類。古来より親しまれる柑子色の襲を客室プレートに採用。秋の風情が漂う入口から一歩室内に足を踏み入れると、木の温もりあふれる開放的な空間が広がる。障子を通して柔らかな光が差し込み、リビングには深山治の写真と三角みづ紀の一行詩、寝室には小林俊哉の絵画など、室内のそこかしこに北海道にゆかりのある作家のアート作品が飾られている。
各客室には石・ひのき・陶器の異なる意匠の源泉かけ流しの浴室も備えられていて、柑子は窓から雄大な羊蹄山の姿が望める石造りの風呂。湯上がりに縁側に出ると秋風が心地良く身体を撫でてゆく。
季節に合わせた部屋に滞在するのも一興だ。
春から秋にかけては、泊谷智史料理長が北海道産の旬の食材を中心にインスピレーションを得て、旬のおまかせコースを提供する。同じ食材でも調理法や他の食材との組み合わせを変え、「一期一会の食体験」が堪能できる。冬には、従来の「旬のおまかせコース(創作フレンチ)」とは異なり、前菜はグループで楽しむシェアスタイルで愉しむことができる。
泊谷料理長が贈る秋の渾身の一皿は「北海道産帆立貝 天然茸のコンソメ」。片面のみ一晩風に当ててセミドライに仕立てた活帆立を使用。適度に水分が抜けた身は旨味が凝縮されて身も引き締まる。それをサッと焼くことでフレッシュ感を残しつつ甘味や香りが引き出される。そこにニセコ産のポルチーニを中心に4種類ほどの天然茸から抽出したエキスを帆立のジュと合わせたコンソメをたっぷりと。新鮮で濃厚な帆立の味わいと天然茸の深い自然の香りと旨味が調和して口の中いっぱいに広がっていく。合わせるのは同じく北海道産のワインだ。近年特に人気が高まっている余市を代表するワイン、ドメーヌ・タカヒコの「ナナツモリO-Lie2023」は料理にピッタリと寄り添ってくれる。
バーは止まり木。人生の苦楽を旅に例え、束の間の休息として羽根休めに来る場所。ゲストは旅をする渡り鳥だ。
夕食後のひととき、ロビーに出現する本格的なバーで秋の夜長をゆっくりと過ごしたい。バックバーの代わりに天井まで届く大きな窓とその向こうに漆黒の闇に森林の輪郭が浮かぶ。照明は抑えられ夜の景色と静謐な雰囲気に満ちている。秋の澄んだ空気と星空を感じながら美酒を傾けるひとときは楽 水山の滞在の醍醐味のひとつ。
希少銘柄が揃うウイスキーでラインナップされているが、特に近隣の余市町が誇るニッカウヰスキーの「シングルモルト余市10年」を味わってもらいたい。重厚で力強いピートの味わいと香ばしさ、複雑で深みのある味わいとスモーキーな余韻が特徴のシングルモルトウイスキーだ。力強さの奥に柔らかな樽熟成香と麦芽の甘さ、豊かな果実香も感じられる。ゆっくりと長い時間をかけて温度変化も楽しみたい一杯だ。
今年の北海道の夏は始まりが早く、厳しい暑さが続き残暑も長引いた。やっと秋が訪れ、ニセコでは寒ささえも感じるようになってきた。外気温が下がる秋は、体温を維持するため基礎代謝が増える季節。運動効率が上がりダイエットや健康維持に絶好のタイミングだ。
後志の山々に抱かれた空間で心地良い汗をかき、心身のリフレッシュと安らぎを体感することで心と身体を解き放ち、新しい自分に出逢うきっかけになりうるかもしれない。
お迎えの一服と秋のお着き菓子
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まだまだ雪深いニセコですが、暦の上では「春」です。
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羊蹄山の雪が解けだし、山懐の地表が水を吸い込んでいくと、ゆっくりと緑が広がってゆくのだ。
山頂の残雪と草花のコントラストがある季節は、少し冷たい風も心地よい。
四季の移ろいがはっきりしている日本の気候の中でも、ここ北海道の寒暖差がもたらす四季はその輪郭をくっきりと際立たせる。楽 水山を囲む原風景も、四季折々の自然の彩りをおもてなしに映してお客様をお迎えしているのだ。
READ MOREニセコ樺山の里には雪がしんしんと降りながらも、2月に感じることは、陽の光がやわらかくあたたかくなってきたことだ。極寒の地で生きる命たちが、ささやかに春を知らせている。その足音に耳を澄ませ、料理へと紡ぎ上げる一皿だ。
READ MOREここニセコに降る雪は「パウダースノー」と呼ばれ、雪に触れてみると水分を感じることもなく軽いのだ。溶けずにさらさらと手のひらからこぼれていく。ゆっくりとした時間が流れる里山の暮らしは豊かで、凛とした冬はなおのこと気持ち良い。少し長い滞在で、雪のある暮らしを愉しみたい。
READ MORE日本は温泉資源に恵まれ、古来から独特の湯治文化がある。
長い滞在を通し、温泉の効能で心身を整えていく保養・療養の原型とも言われているのだ。
ニセコの大地は雪に覆われ深い眠りにつく。しかし、眠っているかのような冬でも旬を迎える食材も豊富にある。冬の献立の数々が織りなす料理の魅力を存分に愉しみたい。
READ MORE北海道に秋が訪れた。晴れた日でも頬をなでる風は冷たく、日に日に夕暮れが早まってくる。しかし、秋は「実りの秋」というだけあって種類豊富な食材が収穫期を迎え、恵みをもたらしてくれる。
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「素材を見る」、「焼く音を聞く」、「香ばしさ」、「旨味」、「触れる」五感を刺激する料理。
人類は古代より調味料として、食品を保存するための手段として「発酵」という技法を育んできた。日本最古の調味料といわれる酢をはじめ、日本の食に欠かせない醤油、味噌、みりんは発酵調味料だ。いずれも昔ながらの日本の味、日本人の原点の味だ。
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北海道らしい食材があふれる季節の到来だ。
悠久の時の流れの中で、密やかに育まれてきたニセコの自然。その力によって生まれる折々の表情の変化の積み重ね、幾千幾万の繰り返しの果てに創り出され、今に至るニセコの風景。羊蹄山とアンヌプリの二山を望み、ニセコの大自然と融合した趣深い里山の情景に溶け込む「楽 水山」。
READ MORE手つかずの雄大な自然と、そこに暮らす人々のささやかな営みが作り出した風景が融合する後志しりべし地区やニセコの風景。
圧倒的な自然の力によって生み出される四季折々の表情は、見る人を魅了し感動をもたらす。